授乳中のお薬 (出典 歯科医院で使う薬の安心マニュアル 土肥敏博、池田正弘、小島碩蔵編集 医歯薬出版株式会社)
                  (歯科臨床医のためのイザというときの処方
 伊藤春生 監著 小林晋太郎・塗々木和男著)
ロキソニン、バッファリンは授乳婦には投与しない!
抗ヒスタミン薬は授乳中には注意が必要である。
エピネフリン、ヘパリン、インシュリンは母乳中に移行しないので安全。
ゲンタマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、テトラサイクリンは母乳中に含まれても、乳児による吸収がほとんどないから安全。
アトロピン、癌の化学療法薬(ドキソルビシン、メトトレキサートなど)、クロラムフェニコール、エルゴタミン、リチウム、メチマゾール、メチセルジド、放射性物質を含む診断薬、チオウラシル、ワクチンなどは授乳中には使用を避ける。コカインやヘロイン、フェンシクリジン(PCP)といった違法薬物も、特に授乳中は厳禁である。また、ブロモクリプチン、エストロゲン、高用量のエストロゲンやプロゲスチンを含む経口避妊薬、レボドパなどは、母乳の産生を抑制するので服用を避ける。(この項はメルクマニュアル医学百科より引用。 http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/print/sec22/ch259/ch259a.html
いずれにしても授乳中の母親に投与された薬は母乳を介して乳児に移行した場合の影響が予測しがたいので注意が必要です。

 消炎鎮痛剤 大半の消炎鎮痛剤は授乳中の投与に対する安全性は確立していない。
  インドメタシン(インダシン)
   フルフェナム酸(アンチサン)
   塩酸チアラミド(ソランタール)
   プロキシカム(フルカム)
母乳に移行しやすい。 インドメタシン⇒乳児に痙攣例あり。
 アスピリン、スルピリン、アセトアミノフェン(ピリナジン)の大量投与 授乳時の呼吸障害、代謝性アシドーシス、発疹例あり。
  インドメタシンとメフェナム酸(ポンタール)は授乳中の投与は避けるように記載あり。

  
アスピリンとアセトアミノフェンには授乳中の投与は避ける記載がないので、必要時に頓服で処方できる。
   (アスピリンなどのサリチル酸は、長期間大量服用した場合は危険。)

 抗菌剤 抗生物質が母乳中に移行する量は少量であり、乳児の血液中に認められないくらいの量。
弱酸性の薬物は母乳に移行しにくいと言われているので、必要があればペニシリンは第一選択薬になる。
第一選択 ペニシリン系とセフェム系 乳児に対しては比較的安全な薬である。
第二選択 マクロライド系 母乳への移行率は高いが、短期間ならそれほど影響はないものと思われる。
(説明書には授乳中止と記載)
アミノグリコシド系 腎障害、聴力障害を起こすことがある。
テトラサイクリン系 歯牙着色を引き起こす可能性がある。
クロラムフェニコール 乳児の骨髄抑制を起こす。
ニューキノロン系 胎児の関節の発育障害を起こす可能性がある。

 アルコール                                                          
飲酒する母親から授乳を受けた乳児に、低プロトロンビン血症、肥満、成長の遅れが現れた報告がある。
 タバコ 妊娠中に禁煙する妊婦は喫煙者の20%程度と言われる。
20本/日以上喫煙する母親から哺乳された乳児に、不眠、嘔吐、下痢、頻脈、循環障害が現れた報告がある。
 ビタミンD                                                            
母乳への移行率が高く、乳児に高カルシウム血症を起こす可能性がある。

 母乳中に移行し乳児に影響を及ぼす薬剤
 (出典 歯科医院で使う薬の安心マニュアル 土肥敏博、池田正弘、小島碩蔵編集 医歯薬出版株式会社)
薬剤(一般名) 乳児への影響
中枢神経系作用薬 ベンゾジアゼピン系化合物
(ジアゼパム、エスタゾラム、エチゾラム、トリアゾラム、ブロチゾラム、アルプラゾラム、クアゼパムなど)
嗜眠、体重減少、新生児黄疸
解熱鎮痛抗炎症薬
(インドメタシン、メチアジン酸など)
痙攣、発疹
化学療法薬 クロラムフェニコール 骨髄抑制の可能性
サルファ剤 G-6-PD欠損乳児で溶血性貧血、高ビリルビン血症、皮疹
ナリジスク酸 G-6-PD欠損乳児で溶血性貧血、黄疸
ニトロフラントイン G-6-PD欠損乳児で溶血性貧血
アルコール 多量のアルコール アルコール中毒症状、低プロトロンビン血症、偽クッシング症候群
その他の薬剤 経口凝血薬 術後出血
カロチン カロチン血症
ビタミンD 高カルシウム血症